ノートパソコンの分解をしていたら、裏蓋のネジ穴が完全につぶれてしまい回せなくなってしまいました。このなめたネジを何とか外したかったのですが、素人ではどうしようもなく諦めていました。
そんな折、近所にあった工具メーカーの株式会社エンジニアさんが『ネジレスQ』という名前で、なめたネジを外してくださるというサービスを実施されていることを知り、実際にお世話になってみました。
ネジ穴がつぶれて回せなくなった
ことの発端はというと、日本橋の中古PCショップPCコンフルさんでノートパソコンを購入したことです。
SSDを換装するためノートパソコンの裏蓋にあるネジを外そうとしたのですが、ネジ穴とドライバーのサイズが合っていなかったのか、はたまたドライバーを押してネジを回すことを意識しなかったのか、見事にネジ穴が潰れてしまいました。結果、ネジ穴がなめて回せなくなってしまいました。
ネジ回し液や専用ドライバーは効果なし
ネジ穴がつぶれたなめたねじをどうにかして回せないか調べていたところ、amazonで「なめたネジ専用のドライバー」や、ネジが回しやすくなる「ネジすべり止め液」というものがあることを知り、それぞれANEX社のものを購入して使用してみました。
ただ、これらを使用しても効果がありませんでした。ヤスリでネジの頭にマイナスの溝を掘ってみようと試みましたが、ネジが硬くて深さが足りずこれも失敗。最終的にはネジ穴にドライバーを差し入れても空回りする最悪の事態に陥ってしまいました。
もう電動ドリルでネジを破壊して、無理やり外すしかないか・・・でもノートパソコンの本体側にダメージがありそうで、そもそも電動ドライバー自体がないしどうしよう、、と途方にくれていました。
なめたネジを外してくれるサービス ネジレスQ
自力でネジを外すことを諦めて、持ち込みでネジを外してくれるサービスがないか探していたところ、株式会社エンジニアさんが「ネジレスQ」というサービスを実施されていることを知りました。
株式会社エンジニアさんは、ネジ山が壊れてしまったネジをネジ頭ごとつかんで回す工具ネジザウルスが有名な大阪の工具メーカーです。このネジレスQは、外せなくなったネジを含む部品を送付したり持ち込みをすることで、状況に応じた解決策やおすすめの工具を教えてくださるとのことです。
このサービスは個人も利用可能とのことなので、さっそく申し込んでみました。
ネジレスQの申し込み方法
ネジレスQのホームページから「SOS窓口はこちら!」を選択。申し込みフォームに連絡先などを入力し、お問い合わせ内容にネジの状況や種類などを入力。この時、ネジの損傷状況が詳しくわかる画像を4つ添付する必要があります。
- ネジのなめ具合がわかる拡大画像
- サイズが分かるようにネジに定規をあてた画像
- ネジを斜めの角度から撮った画像
- ネジ周辺の状況が分かる俯瞰画像
そして今回、このネジレスQサービスを提供されている株式会社エンジニアさんの本社が近くにあったため、「直接会社へ持ち込むことは可能か?」とお問い合わせ内容に記入してフォームを送信しました。
後日、メールアドレス宛に「直接本社へ持ち込みOK」との返信がありましたので、日時を決定して株式会社エンジニアさんを訪問しました。本来は、おそらくフォーム送信後に部品を本社に送付する流れになると思います。送付する際はネジが外れなかった対象商品のみを送付するようです。
株式会社エンジニアさん本社へ訪問
株式会社エンジニアさんの本社は大阪市内にありました。社屋の外壁には代表的な商品であるネジザウルスがネジの頭を掴んで回す絵が描かれており、一目で工具メーカーだとわかる外観をしていました。
社屋の中へお邪魔すると、1階は受付・応接スペースと商品の展示コーナーとなっていました。工具系の展示会でお見掛けする「ねじは寿司」のセットや、主力商品が所狭しと並べられていました。
早速、受付の電話でアポイントを取った技術部の方をお呼びしたところ、作業着を着た技術者の方とご年配の方、そして若手の方数名が様子を見に下へ降りてこられました。
なめたネジ vs ネジレスQ
早速、はずれなくなったネジを見ていただくことに。ご年配の方がルーペでネジ穴を確認して工具の名前をつぶやいたかと思うと、技術者の方が大量に持ち込まれた工具の数々から、秘密兵器を取り出しネジ穴に差し込んで一言。
これ回るかも…
そんな言葉が出るやいなや、あれだけ回すのに苦労した穴のつぶれたネジが、ネジ穴に注入する液剤やつぶれたネジ専用工具を購入してもうんともすんともいわなかったネジが、ものの数秒で回されてしまったのです。安堵したとともに、この職人技にはただただ驚嘆するしかありませんでした。
ご年配の方が「対戦時間過去最短」とのことで笑っておられたのですが、その顔は「まだ見ぬつぶれたネジ穴、解決できないネジ穴を求めている」といったたたずまいで、これが大阪の技術者の情熱なんだなと感服しました。ネジは今後の技術開発のために提供させていただき、家路へとつきました。
ネジが外れない時はネジレスQに相談してみよう
今回は株式会社エンジニアさんに直接ノートパソコンを持ち込み、つぶれたネジを回していただいた体験記でした。なめたネジをどうしても回したい、回すことに情熱をかけている方々でした。
もし回らないネジで困っている人が周囲にいたら、ぜひ今回のことを教えてあげてくださいとのことでしたので、今回このように体験記を公開させていただきました。
もう完全に回せなくなってどうしようもなくなったネジがあれば、株式会社エンジニアさんというプロのネジ工具技術者の方々にレスキュー依頼をしてみてください!
ネジザウルスをモチーフにした公式キャラのウルスくんがTwitterをやってるんだけど、やたら可愛い
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